Outline

6915年。
唯一人の王が統べる国の北西部の大都市、リシャークス。
そこは誰もが厭う格差社会と偏見、そして不条理の成れの果てだった。
その最も憎まれる存在レスティン公爵の次女アリスは、スラム街の粛清を目の当たりにし、父を殺し領民を救おうと心に決める。
それはまた、スラム街の粛清にて右目を損なった少年、チェシャも同じ。
もう一度二人が再会するとき、世界はぎしぎしと音を立てて軋んでいった。

―――この許されざる悪を、残酷なまでにばらばらに。


Kingdom


Resharx

北西部に位置する格差社会の典型的な場所。
レスティン公爵の領土で、巨大な地方都市でもある。
北東部にスラム街が存在した。

The capital of Kingdom

国の王都。
人口密度が最も高く活気に溢れた、だがどこか神聖な場所。
街のそこかしこに教会が建てられている。
巨大な城が街の中心に聳え立っているが、人気がしない。
『ハンプティ・ダンプティ』いわく、墓場。


Word


『ハンプティ・ダンプティ』

伝説のような存在。
唯一人王に仕えることが許された存在として、王都だけでなく地方でも伝承として残っている。
思慮深く優れた頭脳を持った子供が選ばれるといわれている。
実際に選ばれた子供は何よりも尊ばれる。
顔の左半分を覆い隠す奇妙な仮面をつけ、不可思議なステッキを持って、不穏な夜に現れるとされる。

継承

誰でも条件が揃っていた場合、冠名を継承することができる。
一般には知られていないためその冠名を名乗ったところで、あまり意味はない。
「王の血をわずかでも引いていること」
堕ちる卵は賢くて狂えなくてはいけないね。
猫さんは妄信的で損なわなくちゃ。
帽子を作るあの人は正気のままに忘れない。
壊れた白兎は哀しいからこそ笑うんだったね。